ここはダイニングかスタジオか?!
ダイニングテーブルで娘と向き合って、それぞれの作業をする日曜の昼下がり。
食べたり飲んだり、また食べたり
娘は翌週の宿題、私は〆切間際の原稿。それぞれ、ちょっぴり追い詰められた気持ちに駆られながら目の前の課題に取り組んでいる……という切迫感はみじんもない。
とりあえずコーヒーから始まって（娘にはコーヒー牛乳）、10分後には娘がりんごをむき出し、向かい合ってりんごをムシャムシャ。歯科矯正中の娘は、りんごを扇型に小さく切る。先日、ついかぶりついて前歯の矯正装置が外れてから、りんごには気を付けているらしい。
それにしても、やたら小さい。「ここまで切らなくてもいいんじゃない？」と言うと、「こうしたほうがたくさんに見える」だと。
リンゴを食べ終えて15分、集中ゾーンに入りかけたと思ったら、洗濯機が「ピーピー」鳴きだした。
向こうに行きかけていた自分を現実に呼び戻して、洗濯ものを干す。あーあ、また集中が遠のいた。
仕切り直しが必要だ。今度は紅茶を入れると、向かいから「私もコーチャ」と叫ぶ。で、牛乳を入れてミルクティー。
滑車とリブロックとNiziU
やっと座り直してパソコンに向かう。お、ようやく集中モード。
……と思ったら、向かい側の住人から「滑車がわからん」とSOS。理科の宿題のようだ。覗き込んだところ、私もよくわからん。
で、急遽、幼児期に夢中になったリブロックのタイヤ部分を取り出してきて、滑車を作る。
そのうち、ヒモより毛糸がいいだの、やっぱり毛糸じゃダメだ、細めのヒモにしようだの、滑車と関係ないところにやたらこだわり始める母娘。
滑車からヒモが外れないために、およそ滑車とは思えないシロモノを作り出して大満足(*^-^*)
これが意外にヒットして、めでたく娘は、滑車の仕組みをそれなりに理解したらしい。
こんなところにまで役立ってくれるとは。恐るべし、リブロック。ありがたや。
おいおい、もう3時になるではないか。今日中に原稿のメドをつけなきゃなんないのに。やばい。
慌てて、元の体勢に戻り、ダイニングテーブルで向かい合って座る。
が、やはり、15分と持たない。すぐにどちらかが、何か食料を求めたり、飲み物を作ったり。そのたびに二人分作るから、午後の数時間で、いったいどれだけ食べたり飲んだりしたことか。気づいたら、原稿の文字数より、お腹いっぱいだ。
ふと向かいを見ると、娘は不在。いつの間にかソファの背もたれの細い部分に横たわり、iPADで「NiziU（ニジウ）」を聴いている。そのうち、やおら起き上がり、踊り出す。
ここはダイニングか？ スタジオか？
私ゃ、原稿を書かなくちゃいけないんだよ！と思いながら、実は行き詰まってた私も、一緒にNiziUを眺める。こう何度も見せられ、聴かされてると、覚えたくなくても覚えてしまう。今では、料理しながら鼻唄になって出てくる始末。
「Chopstick（チョップスティック）」という新曲がなかなか可愛い。ピアノの練習曲がモチーフになってるのも懐かしい響きなのだ。
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