母と歩き、おいしいコーヒーを飲む
紅葉もそろそろ終盤。母と一緒に、じゅんさい池公園まで歩きに行った。
人もカモも亀も、太陽が恋しい
真っ青な空。風もなく、澄んでひんやりした空気が気持ちいい。
歩いているうちに、うっすら汗をかくほど体が温まってきた。母も同じだったようで、途中でインナーのベストを1枚脱いでいた。
じゅんさい池に着くと、たくさんのカモが水辺で日向ぼっこしていた。いつもは岩の陰に隠れている子たちも皆、太陽の光を浴びに来たのだろう。大きな亀も岩の上で甲羅干ししてた。人もカモも亀も同じだ。皆、太陽が恋しい。
じゅんさい池公園は1週およそ1.5㎞の細長い池。普段は半分の真ん中まで歩いて、橋を渡って帰ってくるのだけど、母と二人、おしゃべりしながら、青い空とモミジのコントラストをゆっくり追いかけ、奥へ奥へと歩みを進めた。
「ここが終点かな」というところまで来たとき、少し奥まった場所に、望遠レンズを構える人が数人、集まっているではないか!
何かいるのかと静かに寄っていくと、「カワセミがいたのよ」とその中の一人が小声で教えてくれた。
写真でしか見たことないカワセミが、ここにいるの?!
キョロキョロしたけれど、残念ながら一歩遅かった模様。飛び立った直後だったようだ。
望遠レンズのご一行はカワセミを追いかけて移動したのか、気づくと母と二人になっていた。改めて見回してみると、そこはモミジで覆われた細い道。30mほどのモミジのトンネルだった。
二人してはしゃいで、写真を撮りあい、マスクをしたり外したりの大忙し。
一緒にカメラに収まりたいけど、コロナ禍の今、通りがかりの人に撮影を頼むことが何となくためらわれる。以前は、当たり前に、道行く人とお互い、スマホを交換して撮影し合ったものだけど。
で、やむなく腕を必死で伸ばして自撮りにトライ。なんとか二人の顔を画面に収めたものの、「ザ・顔」が2つ。肝心のモミジが入らない( ;∀;)
しかも、私は必死で腕を伸ばしてるから、笑顔が引きつってるし。
後でふと思ったのだけど、外だし、人が多かったわけでもなし、マスクなんてバッグにしまっちゃえばよかった。
習慣っておそろしい。いまや家を一歩出たらマスクをするのが習慣になっていて、はずしていると何だか落ち着かないのだ。普通、逆だよね。2年弱の月日が日本人の習慣を変えたってことだ。
公園ですれ違う人も、皆、マスクしていたし、それをヘンだとも思わなかった。いや、少し不思議だとは思ったけど。でも、私もしていたわけだし。不思議と思いながらし続けていた自分自身も不思議。すべて不思議。
でもいいや! モミジと空がきれいだったから。
「こんなおいしいコーヒー初めて!」
じゅんさい池をゆっくり1週してから、池のほとりにある大好きなカフェ「珈琲飄々」へ。
平日、お昼前の「飄々」は私たちだけ。窓際のお気に入りの席に二人で落ち着いた。
じゅんさい池と同じくらい、ここ「飄々」に母と来たかった。やっぱり、ここはほっとする空間だ。窓の外には、今歩いてきたじゅんさい池が広がっていた。
普段は緑茶党の母だけど、迷わず「コーヒーがいい」と言う。ブレンド2つと自家製発酵バターのフルーツケーキを1つ頼んで二人でシェアした。
飄々のコーヒーは薄くはない。優しいけれど、コクと酸味が伝わってくるしっかりした味わいだ。決してコーヒーが得意ではない母に飲めるかな……と、私はこの時点ではまだ少し思っていた。
だ、が、
母は一口飲んで「おいしい」とつぶやいた。そして、フルーツケーキと交互に口にしながら、「こんなにおいしいコーヒーは初めて」とまで言った。
これには、私がめちゃめちゃうれしかった。私が淹れたコーヒーでもないのだけど。
私が大好きなカフェで、こうして母と一緒にコーヒーを飲めることが、とにかくうれしかった。
飄々のコーヒーとフルーツケーキで再び元気をチャージした私たちは、ここからさらに里見公園まで足を伸ばし、江戸川沿いを歩いて帰った。
気付いたときは、母の万歩計は1万4000歩。よく歩いたものだ。少し歩きすぎたのか、母の足が悲鳴をあげた。ウォーキングは気持ちいいけど、歩きすぎには注意だ。
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