ピーラーに爪を持っていかれて、落ち込むの巻

日々のこと

あじさい

夕方、肉じゃがを作ろうと、ピーラーでジャガイモの皮を剥いていた。リズミカルに剝いていた。

ジャガイモつるん。右手にピーラー

アッ……。

手が滑って、ジャガイモがつるん。右手にはピーラー。気づいたら、左手中指の爪が、上4分の1ほどなくなっていた。そして、流血。

マジか……( ;∀;)

とりあえず、血を止めるにはキズパワーパッドだ。

幼いころからオテンバで擦り傷が絶えなかった娘は、よくキズパワーパッドのお世話になった。だから「流血にキズパワーパッド」は、もはや私の反射に近い反応。

傷口を流水で洗って、キズパワーパッドで蓋をした。とりあえず、血が溢れてはこないから、止血はできてる模様。

ここでようやく我に返る。

あーあ、これじゃ、しばらく、ピアノが弾けないじゃん……。

それか、私……と思わなくもなかったけど、正直、そう思った。それしか思わなかった。

皮膚科は今日も大盛況

とりあえず作りかけの夕食を気合いだけで作ったけど、キズパワーパッドとて、完全防水ってわけじゃない。なんだかしみるし、なにしろ、爪が欠けて肉が出てる部分に、キズパワーパッドの上からでも、何かが触れると鈍い痛み。そのたびに不安になる。

キズパワーパッド対応が良いか悪いかもわからなかったので、翌日、とりあえず近所の皮膚科へ行ってみることにした。

コロナ禍もどこ吹く風、いきなり2時間待ちの大盛況の待合室。仕方ないので、駅周辺で1時間半ほど時間をつぶし、ようやく順番がやってきた。

「指先はどうしても雑菌がつきやすいからね。キズパワーパッドは雑菌ごと蓋しちゃうから、やめとこう」と先生。

やめとくのはいいんだけど、とれないんだ、これが。爪が剥がれてさらに切れた場所に貼っちゃったから、これを剥がすのは至難の業。おー、痛いの痛くないの……痛いんだってば!

優しい看護師さんが薬を塗ってガーゼ処理してテープを巻いてくれた。毎日、朝晩2回、取り換えるように、だって。ふう……。

ここですかさず先生に聞いてみる。

「あの、ピアノやってるんですけど……」

「ピアノー?! ダメよ! 2週間は我慢してね」

「やだ」……とは言えぬが、心の中で言った。

私の悲しげな表情を見て、「とりあえず、痛みがなくなるまではやめといてね」と先生。

「はい。痛いあいだは弾かないようにします」

……つまり、痛くなくなれば弾いてもいいってことよね(;^_^A

ナース手袋に左手を託しても

「お大事に」と言われたけど、そうも言ってられない。主婦たるもの、朝昼晩と食事を作らないわけにいかんのだ。

で、看護師さんに使い捨てのナース手袋なるものを教えてもらい、皮膚科帰りに薬局で購入。100枚入り980円なり。水仕事のたびにこれをはめるんだけど、結局、手袋の中まで水浸し。あんまり意味ないなあ……。

毎朝、毎晩、患部に抗生剤を塗り、ガーゼとテープを換える。だけど、指って、ピアノを弾かずとも、そっとしておける場所じゃないんだよね。何かするたびに指は使うし、その後、手を洗う。手を洗えば、どうしたってぬれるしね。

最初はほんのかすかに触れてるガーゼさえ痛くて、「ピアノどころじゃないわ…」と落ち込んだ。

そうなると思い出すのは5年前、階段で転んで足の甲を骨折した、あの数か月の日々だ。

昨日まで当たり前だったことが、ことごとくできなくなる心もとなさ。今回は指だから、足ほどではないけど、それでも何かしようとするたびに、いつものようにはできなくて、そのたびに悲しくなった。

のどもと過ぎれば……

そして3日が経った。

あら? 昨日までほど痛くない(#^.^#)

慣れたのか、傷口が塞がってきたからか。まあ、両方だろう。

痛くないから、ちょっとピアノを弾いてみた。

ガーゼとテープでぐるぐる巻きだから、まともな音は出ないけど、弾けないことはない。

元気が出た。

でもね……毎日2回、ガーゼを換えるときに傷口を見てるけど、爪が欠けた部分の肉が少し盛り上がってきていて、このまま爪が伸びずに肉が覆いかぶさったらイヤだなあ……と思う。

ピアノを弾くために爪はいつも短く切りそろえているし、マニキュアは昔から塗らない。マニキュアを塗ってると、なんだか爪が呼吸できない気がして、落ち着かないのだ。へんな性分。とにかく、爪の形、元に戻ってよー。お願い!

そう願いつつ、とりあえず、痛みが治まってきたことが嬉しい。ピアノも少しずつ弾けそうだし(^▽^;)

 

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