インターネットは当たり前?
IT化の波に乗れずにきた。というか、乗らずにきた。遥か昔だが、携帯電話を持ったのもかなり遅いほうだったと思う。どこにいても、何時でも、携帯電話で捕まえられるなんて嫌だった。
今や手離せないLINE
いまや、スマホがないと困る場面ばかり。たまにスマホを忘れて外出してしまうと、帰宅まで不安だ。これはこれでどうかと思う。
LINEも今や当たり前のコミュニケーションツールになっているけれど、私はやはり遅かった。小学校の役員連絡がLINEグループでのやりとりになったタイミングで、やむにやまれず始めたのが3年前。必要に迫られなかったら、きっと今もやっていない。
LINEは始めてみればとても便利だった。やりとりそのものはメールと変わらないけれど、LINE画面にはメールにはないライブ感があって、やりとりに、ほんの少しだけど温度感が加わる。「既読」マークはときどきウザいけれど、これまた助かることのほうが多い。
数年前まではLINEなんて……と思っていた私も、いまや、母にも機種変更のときにスマホに変えることを薦め、頼まれてもいないのにLINEを設定しに押しかけ、すかさず家族のグループLINEを作った。
コロナ禍の今、これが本当にありがたい。なんてことのない言葉の交換で互いの無事と平穏を確認し、たまには写真を送り合いながら、互いの状況をリアルタイムで感じ合う。
今では、LINEは手離せない。
日本は優しい国?
連日、「コロナワクチン接種予約」についての報道が繰り返されていて、予約に関するトラブルが絶えない様子。電話殺到による回線パンクを避けるため、東京や大阪での「大規模接種」の予約は、インターネットとLINEのみだという。
対象は65歳以上の高齢者。「大規模接種」を予約するにも自治体から届く接種券に書かれた番号が必要で、かつ自治体接種とのダブルブッキングをしてはならないなど、間違いの許されない注意点が多い。すべての注意点を頭に叩き込んだ上で、ネット予約を自力で完遂できる高齢者が、今の日本にいったい何割いらっしゃるのだろう。
いつから日本は、高齢者を含め、全員がインターネットを使える国になったのか。そもそもネットを使うには、自宅にパソコンかスマホがなくてはならない。かつ、それらを初期設定して、日常生活で使っていなくてはならない。購入から設定に至るまで、かなり骨の折れる作業だったことは、誰もがわかっているだろう。
もちろん、若者以上にこれらを駆使する高齢者も数多い。でも同時に、パソコンにもスマホにも触れたことのない方も決して少なくないと思う。
おせっかいを焼く子どもがいる人はいいが、高齢者世帯それぞれ事情は違う。いつから日本は、掌から零れ落ちる砂を掬い取らない国になったのか……と悲しくなる。
そんなこと言ってたら、世界に置いていかれるという声はもちろんわかる。だけど、そんなことで置いていかれるなら、置いていけ!とも思う。
せめて今、インターネットが使えなくてワクチン接種予約ができない高齢者世帯を、そのまま放っておくような日本ではあってほしくない。
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