NHK朝ドラ「カムカム」が終わった
NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が終わった。
やっぱり「るい」に釘付け
朝ドラ初の3世代の物語。1人の人生をじっくり描くのがこれまでの朝ドラだっただけに、そんな駆け足では全体がうすーくなっちゃうんじゃない? そんな疑問を抱えつつ、眉唾もので見始めたのだけど、結局、ドはまりした。
いちばん好きだったのは、圧倒的に「るい編」。深津絵里さんの演技はやっぱり秀逸だった。10代の「るい」で登場したときは、その驚くべき初々しさに度肝を抜いたし、そこから50代まで、違和感なく、少しずつ自然に年齢を重ねる様子も圧巻だった。
とくに、50代のベリーショートのヘアスタイルが素敵だったな。クリスマスライブの舞台で披露した「サニーサイド」。深津絵里さんは歌もうまかったのだと、改めて脱帽。ベリーショートとロングスカートの組み合わせが、眩しかった。
怒涛の伏線回収に、少々唖然…
3世代が描かれているから、視点が「ひなた」に移ってからは、るい周辺があまり描かれなくなったのが残念ではあった。
いや、残念というより、「?」が日々積み重なった。
京都に住んでるのに、大阪のクリーニング店のご夫妻との行き来はないのか、トミー北沢はあの後どうなったのか、とか。何より、ジョーさんは結婚して数十年間何をしているの? というのが謎だった。
毎日、暇なオジサン的に登場してるけど、ほんとに音楽してないの? ブラブラしてるだけ? それでいいの?
数年間ならいざ知らず、数十年だよ…と突っ込みどころ満載。「ひなた」編になってからは、そういう意味での違和感と不満を抱えまくりながら、それでも毎朝、なぜか欠かさず見続けた。
だから、最終週の怒涛の伏線回収は、幾多の「?」を一応、落ち着かせてはくれたけど、やっぱり、いっきに巻いた感は否めない。あまりにピンポイントの偶然が重なり過ぎていて、「そりゃないよ……」とも、正直、思った。
ただ、そうであってほしいと願っていた展開に落とし込まれていたことに、ホッとしたといったところだろうか。
上白石萌音ちゃんの「安子」が、年齢を重ねて森山良子さんになっていたのは、絶妙だったと思う。
懐かしのラジオ基礎英語講座
今回の「カムカムエヴリバディ」は、ストーリーそのものだけでなく、いや、それ以上に、物語の中に出てくる和菓子や家電、それからラジオ英会話講座など、その時代を感じさせてくれるさまざまなものに興味をそそられた。
餡子のおまじないを聴いていると、本当に絶品餡子が出来上がるに違いないと思ったし、「安子」編のときは無性におはぎが食べたくなり、るい編以降は、回転焼き屋さんを見つけると思わず購入した。心なしか、よく行列になっていた気がする。ちなみに、関東では「今川焼き」だけどね。
昔、カセットテープやCDを聞いたラジカセ、そしてウォークマンなども懐かしく思い出した。
そして何より心にズシンと来たのが「NHKラジオ英会話講座」。
私自身、中学1年生のとき「NHK基礎英語講座」で英語に出会った。当時の先生は上田明子先生。日本語にはない「r」や「th」の発音を、上田先生の端切れよく心地よい声に学び、憧れた。
「bird」とか「eraser」とか、「r」の発音を何度も真似て、ちょっとずつさまになってきたときは嬉しかったなあ。
あれから早、40年近く。英語からは遠く離れ、いまや英語で道を尋ねられても右往左往してしまう情けなさだけど、今回、「カムカム」で久しぶりに「ラジオ英会話講座」に再会したら、今からでも、いつからでも始められる気がしてきた。
ほんとに始めるかどうかはさておき、いつからでもできるよね、という気持ちになったことだけでも、なんだか嬉しい。
ジョーさんのトランペットはいづこへ?!
最終回を終えた翌日(今日)、土曜朝10時の「題名のない音楽会」では、トランペット特集が組まれていて、もちろん1曲目は「オン・ザ・サ二ー・サイド・オヴ・ザ・ストリート」。やるなあ、テレ朝。
正直、「カムカム」が始まる前は、トランペットはファンファーレのイメージしかなくて、好んで聴くことはなかったのだけど、何度となくドラマの中で聴くうちに、トランペットの奥行き深い音色にも魅せられた。
それにしても、ジョーさんはなぜ、トランペットを吹けなくなったのだろう。数十年経っても解明されない謎の病って、いったい何だったのか? その「?」だけは、結局残ったままだ。
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