高円寺はフラメンコの香り?!

日々のこと

花

ここ1カ月の間に5回ほど、娘と一緒に総武線に揺られて高円寺へ行った。

「高円寺 純情商店街」というゲートに

娘の歯科矯正の方針に変更があって、ここから先は高円寺の歯科医にお世話になることになったのだ。

我が家から高円寺は、正直、遠い。でも最初の1~2カ月を過ぎれば、その後は1カ月に1度の頻度になるので、思い切って通うことにした。距離はあるけど総武線1本で行けるし、たまに東京に出るのも悪くない。

そんなわけで、猛暑の中を娘と二人、小一時間の旅をして高円寺駅に降り立つ。

駅前ロータリーでまず目に入るのは「高円寺 純情商店街」という昭和の香り漂うくすんだオレンジ色のゲート。

懐かしさを通り越し、もはや1周巡って、ひょっとしたら新しいのではないかとすら思われるいでたちだ。

このゲートを見上げると、高円寺に来たなぁ…と思う。そして、もう一つ、看板の左上に載っかってる子は誰?と気になってしょうがない。

マツコさん、ありがとう!

昭和っぽいゲートにあまりに馴染んでいるので見逃しそうになるけど、いや、私の中ではいちばん目立つ。高円寺に行くたびに、この子の存在感が増していたところ、ふいに疑問が解決した。

日曜の昼下がり、何の気なしにテレビをつけたら、マツコさんのトーク番組で「お笑い芸人が好んで住む町ランキング」みたいなことをしていて、高円寺が取り上げられていた。「純情商店街」はやはり高円寺のシンボルらしく、あのゲートがテレビに映し出されたわけだが、その瞬間、マツコさんが叫んだのだ。

「ちょっと待って!  看板の左上にいるの、あれ何? まぼろし? もしかして私にしか見えてないの?!」

そう、あの子!  私もずっと気になってるのよ。この時点で、私はテレビにかぶりつき。

マツコさんの素朴、かつ驚きの疑問のおかげで、私のここ1カ月のモヤモヤは瞬時に晴れた。

この子は、高円寺ではなく、杉並区のキャラクター「なみすけ」。

2006年、杉並区による一般公募で選ばれたらしい。なぜ「純情商店街」のゲートに載っかったのかはわからないけど、1つ言えるのは、この昭和感溢れるゲートは、昭和ではなく、なみすけ誕生以降、つまり2006年以降に取り付けられたということ(2013年設置と判明)。

いいなあ、高円寺。やっぱりこの町、とっても気になる。

なぜ高円寺に惹かれるのか

純情商店街はその名の通り、歩いてるだけでほっこりする懐かしい通り。

アジア雑貨店、八百屋、総菜屋、カフェ……立ち並ぶ店舗は小ぶりながら、どこも店主の愛すら感じるこだわり感満載で、つい吸い寄せられる。

何だろう、この感じ。

オシャレな軽快さとは対極にある、土に根差したような、「私は私、何か文句ある?」とでも言いたげな感じ。その開き直った感じが妙に心地よくて、無性に気になる。娘と一緒じゃなかったら、たぶん、この商店街で何時間でも過ごしてしまいそう。

そういえば、小松原庸子さんやAMIさんはじめ、フラメンコの第一人者って高円寺の人が多い。50年以上の歴史を誇るタブラオ「エスペランサ」も高円寺だし。なんか納得。

高円寺はフラメンコの香りがするのだ。だから、妙に惹かれるんだ。

ひょんなことから高円寺にときどき来ることになった偶然をラッキーに思う。

 

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