娘と二人、日帰りの旅

日々のこと

鋸山

夏休みが終わる。緊急事態宣言下の夏休み、どこにも遊びに行けぬまま、8月が終わろうとしていた。

ちょっと特別なグリーン車の時間

毎日、公園で友達と遊びまくる小学5年生の夏休み、これもこれでよかろうと高を括っていたが、8月も終わりが見えかけたころ、突如、娘が言い出した。「どこか行きたい」と。

コロナ禍だからキャンプだろうか…と思ったが、皆考えることは同じようで、すでにキャンプ場に空きはない。娘と二人、電車で行けて、密にならず、かつ楽しいところ……。無い知恵を絞って、同じ県内の鋸山へ向かうことにした。

とは言っても、娘は鋸山はどうでもよくて、房総のお寿司と天然氷で作るかき氷が目的だった。

朝8時、君津行の総武快速に乗り込んで、終点で館山行に乗り換え、浜金谷で下車。鋸山ロープウェーは浜金谷駅から、なんと徒歩8分!

日帰りだけど、これが私たちの唯一の「夏休みの旅」。特別感を演出しようと、思い切ってグリーン車に足を踏み入れた。

2階建てのグリーン車両の2階席へ。まず、窓から見える景色がいつもと違った。しょっちゅう乗ってる路線なのに、車両も全く同じなのに、2階だから目線が高い。そして窓が断然大きい。だから普段よりずっと先まで見渡せて、空が広かった。

人もまばらで三密対策もバッチリ。一石二鳥だ。

居心地よい電車の旅は、娘も私も大好き。お気に入りの地・福岡へ行くときも、私たちは新幹線。移動はやっぱり大地を掴み、景色を掻き分けながら進むのがいい。

房総の地魚、鯵と金目

10時10分、浜金谷に到着。電車から降りた人たちは皆、一様に鋸山ロープウェー方面に向かったが、私たちは脇目もふらず寿司屋へ直行。10時半開店と同時に入店し、空いてる店内で房総の地魚を堪能した。10時半から昼食を食べるために、朝食はバナナ1本で済ませていた。

鯵と金目鯛が絶品だった。娘は「あぶり」に開眼し、一通り食した後、鯵と金目を「あぶり」で再び注文。おいしい、おいしい、と目を細めていた。

sushi

11時を過ぎると店内は満席。ここ浜金谷は神奈川県の久里浜とフェリーで繋がっていて、三浦半島から40分という地の利。車ごとフェリーに乗る人、降りてくる人が多く、電車は空いてたけれど、車道はけっこう込んでいた。

鋸山は高かった

さて、お腹いっぱいになったところで、メインの鋸山へ。娘はというと、(娘の)メインのお寿司が終わったので、ちょっとテンション下がり気味。そこを無理やり引っ張ってロープウェー乗り場へ行く。

私たちが乗り場に到着したときは、人影もまばらで私たちが列の先頭。のんびり並んでいたら、列はあっという間にかなりの長さになった。どうやら私たちが来たときは、前のロープウェーが出発した直後だったようだ。

15分後、ラッキーにも1番に乗り込んだ私たちは、もちろん最後尾の位置をゲットして海を見下ろす。コロナ禍なので、窓が開いていて、吹き抜ける風が心地いい。

ロープウェー

……なんて言ってられたのは、出発10秒後までだった。標高が上がるにつれ、風が吹き抜けるロープェーは揺れ始め、真ん中ぐらいに来たときは、グワンと揺れて腰が抜けそうになった……のは私だけ。娘は楽しそうに、ロープウェーからの景色の移り変わりを楽しんでいた。揺れさえも楽しんでいた。私は、ただただ怖かった。

鋸山は高かった。こんなに高い山が千葉県にあることを知っただけでも上ってよかった。娘は帰りのロープウェーも楽しんでいた。私はやっぱり怖かった。

ラッキーアイテム、宝貝

さて、娘の二つ目のメインイベント、天然氷のかき氷を目指して地図を頼りに歩く。浜金谷はすべてが徒歩10分圏内に収まっていてコンパクト。なんともありがたい。

天然氷のかき氷は、50年生きてきた中でいちばん大きかった。娘はヨーグルト練乳いちご、私は梅シロップを注文。運ばれてきたかき氷の大きさに歓喜の叫びをあげながら、どちらがこぼさずに食べられるかを競争。あっさり、私が負けた。

かき氷が来る前から、娘はレジ横の一角に釘付け。目立たぬ場所に、宝貝で作った手作りストラップがつつましやかに販売されていた。

こういうお宝に目ざといのが我が娘。早速見つけて、お財布の中身と相談後、2つ購入。1個なんと50円。一つは自分用、もう一つは「ママに」だって。うれしい。大事にしよう。(私も娘にお土産を買う羽目になったけど)

宝貝

帰り際、かき氷店の女主人が駆け出てきて、娘を呼び止めた。

「宝貝、気に入ってくれてありがとう。これを置いてから、お店が繁盛し始めたので、きっとラッキーアイテムよ!」と、とびきりの笑顔。

なんだか無性にうれしい。こういうやりとりこそが旅だよね。

 

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