母の赤飯、最初のひと手間
我が家は、私はもちろん、夫も娘も、母の作るお赤飯が大好きだ。
お赤飯といえば、ばあば
幼いころから、何かあるたびに母はお赤飯を炊いてくれた。成人式や誕生日、入学、卒業などのお祝いごとはもちろん、実家を出てからは、帰省するたびにお赤飯で迎えてくれた。
結婚後も、顔を出すと、帰りがけになぜかお赤飯を持たせてくれるし、我が家に遊びにくるときも、いつもお赤飯を炊いて持ってきてくれる。頼んでないけど、どこかでちょっと期待してもいて、母の赤飯に会えると無性に嬉しい。
小豆の色だけで淡く染まった薄紅色の赤飯。そこに美味しい塩をほんのひとつまみと、黒ごまをパラリ。なんとも優しい味で、どれだけ食べても飽きないので、ついつい食べ過ぎる。
娘からいつも「ばあばのお赤飯、作って」と言われるので、母に分量を聞いて何度かトライしてみたが、似て非なるものになってしまう。数回であっさり諦め、「お赤飯といえば、ばあば」と娘にも刷り込んだ。
……ところが、諦めていない人がひとりいた。
今日、久しぶりに実家を訪ねたところ、なぜかボールにもち米、計量カップに小豆が入れられている。そして、「これからお赤飯を作るわよ」と鶴の一声。
あ、今日は持たせてくれるんじゃなくて、一緒に作るのね…。
計量方法はどっち?!
わざわざ計量するところから待っててくれてたのは一目瞭然。観念して、今日こそ母の赤飯をマスターすることにした。
さて、早速、計量からスタート。
「何でもいいからカップに4杯分のもち米、そして、小豆の分量はそのカップの4割ね」
「は?」
のっけからワケがわからない。
「もう1回、言ってもらえる?」
「カップは何でもいいのよ。たとえば、ウチのカップはこれね(200ccのいわゆる普通の計量カップ)。これに4杯分のもち米を入れるとするでしょ。そしたら、同じこのカップの4割の目盛りまで小豆を入れるの。分量はこれでバッチリ。簡単でしょ(ドヤ顔)」
「それってさあ、もち米800ccに小豆80ccなんだから、もち米の10分の1の小豆、でよくない?」
と思わず私。
「そんなわかりにくいー。ウチのカップ4杯分のもち米に……」
もうわかったよー。この母、マジでおもしろ過ぎる。
そして、この問答みたいな会話のおかげで、めでたいことに私も、もち米と小豆の母流の計り方をバッチリ覚えた。たしかに覚えてしまえば、こっちのほうが応用が利く。
計量カップでなくても、ただのコップでもできるわけだから。あ、応用じゃなくて、融通が利く、だな。この場合。
その後も、そんな調子で母が作る様子を横で見ていたので、今度こそ覚えられた気がする。
ポイントはいくつかあって、まずは、もち米と小豆の分量(これはバッチリ)。そしてまず小豆のアクをとり、そこにもち米と同量(つまり小豆の10倍)の水を入れて小豆を圧力鍋で炊き、蒸気が抜けたら、そこにもち米を入れて、さらに炊く。
まろやかで優しい味の決め手はたぶん、最初のひと手間。小豆を炊く前に、少し煮立てて小豆のアクをとることだと思った。
そんなわけで、めでたく母の赤飯を伝授してもらった。出来上がったお赤飯のほとんどを包んで持たせてくれたので、今日の我が家の晩御飯は、母の赤飯(*^-^*)
忘れないうちに、自分で作ってみようと思う。まずは、ウチのカップに3杯分のもち米と、そのカップ3割の小豆でやってみるかな。
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