よもぎ蒸しの湯気が放つパワーとは
3月に入ると同時に、やっぱり花粉がやってきた。
花粉症を放っておけない
花粉症との付き合いは、かれこれ15年ほどになるだろうか。
薬を飲むほど強い症状ではないので、花粉が飛び始めたら、外出時にマスクをし、あとは鼻水と目のショボショボはある程度許容して、花粉が過ぎ去るのをただひたすら待つ。過ぎ去れば治ることがわかっていたから。
ただ、コロナ禍の今は、そんな悠長なことを言っていられなくなった。
鼻水が出たら少し心がザワつき、喉がイガイガしようものならドキッとする。花粉症だろう…と思いながらも、「もし…」と思うと、身構えてしまう自分がいる。
コロナなんぞに振り回されたくないと思いながら、見事に振り回されていることに気づく瞬間。ゲンナリしてしまう。
ティートゥリーと葛根湯
そこで、今年は積極的に花粉対策を講じて、紛らわしい症状をなるべく抑える試みをしている。
まず、アロマオイル。ティートゥリーは抗菌、抗ウイルスが期待できるので、小皿に少しお湯を張ってティートゥリー精油を1滴。仕事机(ダイニングテーブルだけど)の隅っこに置いておく。
眠るときは、ガーゼに数滴、沁み込ませて、枕元に置く。
それでも、朝起きたときに鼻水や喉の違和感を感じたら、即、葛根湯。これで今のところ、花粉症も、ちょっとした体調不良も、家族ともに凌げている。
アロマを湯気にする
ただ一つ、悩ましいことがある。それは精油の扱いだ。
原液を直接塗布するのは説明書にもNGとあるけど、お湯やガーゼに垂らすと、最初はいいけれど、あっという間に香りが消えてしまう。間に何かを挟むと、効果が薄れて当然だ。
そこで、外出時にマスクの内側に1滴たらしたら、あまりの刺激で涙が止まらなくなった。垂らした場所が鼻の近くで、かつティートゥリーだったこともあるだろう。せめてマスクの端にすればよかった。
「帯に短し襷に流し」といった感じで、精油の扱いに着地点が見いだせないでいたところ、中医学の取材があったので、先生に聞いてみた。すると、香りは湯気(煙)で取り入れるのがもっとも効果的、かつ優しい方法なのだという。
なるほどー。
というわけで、アロマを湯気にする方法を考えた。
昔、アロマ専門店「ニールズヤードレメディ」でアロマライトを買い求め、使っていたことがあった。電球が白い陶器のボディで覆われていて、上が窪みになっている。そこに精油を落として香りを広げる、という優れもの。20年ぐらい前に購入して、いまやすっかりオブジェと化していたアロマライトを持ち出して試してみた。
しかし、20年という月日は長かった。コードを差してスイッチを入れても電球がつかない。電球がやられているのか、そもそもコードそのものが壊れているのか。20年物のアロマライトはオブジェに戻った。
そうだ!よもぎ蒸しだ
数日後、ふと思い出したのが、昔、清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した「よもぎ蒸しセット」。
40代に入ったころ、ちょっとした体調不良に襲われた時期があり、結局、ホルモンバランスの変化が原因だとわかった。とはいえ、これは病気ではない。女性の体の波、というか、揺らぎのようなもの。
時期の差や程度の差はあるだろうけれど、女性は皆、経験する種類のものだ。だから、できるだけ心地よい方法でこの時期を切り抜けたいと思った。
そう思って、いろいろ探していたときに出会ったのが「よもぎ蒸し」だったのだ。
最初はおっかなびっくりだったけど、試してみたら、体が温まっていい感じだった。普段は意識していなかったけど、よもぎ蒸しをした後のポカポカを経験すると、普段、自分の体がいかに冷えているかがわかった。
そんなわけで、40代前半のある時期、定期的によもぎ蒸しに通い、体を温めながら過ごしたことがある。当時は福岡に住んでいた。
福岡から東京へ転居することになったとき、見知らぬ土地でよもぎ蒸しサロンを探すくらいならと、1セット、思い切って購入したのだ。
あれから8年、ホルモンバランスの揺らぎもおさまり、体調が安定してくるのと同時に、よもぎ蒸しセットも活躍を終え、倉庫の番人となっていた。そもそも、広い一軒家ならいざ知らず、狭いマンションでのよもぎ蒸しは少々無理があった。
いまさらこれを出してくるつもりはないけど、椅子はさておき、電熱器と壺、そして当時の乾燥よもぎは、実は今の悩みを解決してくれるのではないだろうか?! 乾燥よもぎも、たしかまだ残っていたはず。
よもぎの湯気と香りの中で
およそ5年ぶりにお出ましした電熱器に壺を載せ、その中に乾燥よもぎ20g入れて、熱湯を注いだ。あっという間に、部屋いっぱいによもぎの香りが広がり、電熱器でお湯の温度を保つから、常に湯気が出続ける。よもぎの香りが途切れない。
おー、これだ!
電熱器をずっとつけているので、オーバーワークでショートしないかが心配だけど、とりあえず、お湯を継ぎ足しながら、数時間、使い続けてみた。よもぎの香りは心地よく、乾燥対策にもなって一石二鳥。
いつの間にか、ティートゥリー精油からよもぎへと、中身は変わってしまったが、まあいい。
精油1滴たらすには、壺は大きすぎるのだ。とりあえず、よもぎもハーブ。精油とそう変わらないと思うとしよう。
そんなわけで、今、我が家のリビングは、よもぎの湯気が少しずつ立ち上り、香りも広がっている。きっと花粉対策にも、風邪対策にもなるだろう。何よりグリーンの香りの中で過ごすのは心地いい。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません