メロンパンが大好きだった

日々のこと

パン屋さん

週に一度のフラメンコ。レッスンを終えると、このところ毎週、家とは反対方向へ自転車を走らせる。

「ピーターパン」という名のパン屋さん

公民館から自転車で5分ほど。戸建てが静かに立ち並ぶ住宅街の中に、「ピーターパン」という名のパン屋さんが現れる。我が家からは遠いけど、公民館からはわりと近い。

私が行く時間帯がお昼に近いからか、店内はいつも賑わっている。パンの種類も多く、子どもから大人まで、みんなニコニコ、パンを選んでる。

お店の外には丸太の大きなテーブルがあって、ここで買ったばかりのパンを食べながらコーヒーを飲める。パンを買うと、コーヒー用の紙コップを手渡してくれて、店内のコーヒーサーバーでセルフで淹れて飲めるという嬉しいサービス。

お昼どきはいつも、おじいちゃん、おばあちゃんたちが日向ぼっこしながら語らい、その横で、赤ちゃん連れのお母さんが一休みしたりしてる。なんだかほっとする風景だ。

土日になると、子どもたちの憩いの場にもなるようだ。

5年生になって友達と自転車でちょっぴり遠出するようになった娘も、週末、友達と一緒にピーターパンに行くことがあるらしい。おこづかいの100円玉を2枚ほど、ポシェットに入れて出かけることがある。

娘のお気に入りが、ここのメロンパン。1個130円。

外はパリッとして中はフワフワの昔ながらのメロンパン。中にメロン果汁のカスタードなんてややこしいものが入ってないのがいい。メロンパンはシンプルに限る。

「ロバのパン屋さん」がやってくる!

幼いころ、「何パンが好き?」と聞かれたら、即答、「メロンパン!」だった。なぜあんなにメロンパンが好きだったんだろう。

物心ついたころから幼稚園年長までの数年間、愛媛県松山市の片田舎で育った。

家の前は広い畑。積み上げられたワラの上に寝転がって、ひたすら、ワラでみつあみを編み続けた日々が懐かしい。春はレンゲ草で冠を作り、首飾りを作り、長く作り過ぎて2重の首飾りにしたりもした。

そんな畑の中の一本道を、よく「ロバのパン屋さん」がやってきた。

本当に、ロバが馬車を引いてやってくるのだ。

 

ロバのおじさん チンカラリン チンカラリンロン やってくるー

ジャムパン ロールパン できたて やきたて いかがですー

チョコレートパンも アンパンも なんでもあります チンカラリン

 

という歌声が聞こえてくると、母に100円玉をもらいにいって、ロバのパン屋さんを追いかけた。ロバだからすぐに追いつく。で、いつもメロンパンを買っていた。

当時、「ロバのパン屋さん」の歌詞にメロンパンが出てこないのが不満だった覚えがある。

数年経つと、突然、馬車ではなく、ワゴン車に変わってしまった。だから、ロバがいなくなった。

どんなにゆっくり走っていても、車は早い。歌が聞こえてから母に100円玉をもらいにいく。で、追いかけるのだけど、もうずいぶん先に行っていて、追いつけなくなった。

そもそも、ロバのいない「ロバのパン屋さん」なんて、もはや「ロバのパン屋さん」じゃない。だから私の「ロバのパン屋さん」はそこで終わった。

「ピーターパン」のメロンパンは、あのころの「ロバのパン屋さん」のメロンパンを思い出す。

今日も娘のリクエストで買いに行ったけど、実は私がこのメロンパンを食べたいのかもしれない。

 

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