「小公女セーラ」を娘と1話ずつ観る
![花](https://ackie5-morning.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_1062.jpg)
子どものころ、日曜日の夜7時30分には、必ずテレビの前に座り「世界名作劇場」を観ていた。
面白いだけじゃない
夜7時に「サザエさん」が終わったら家族で食卓を囲み、夕食後、妹と弟と私の3人、ソファに並んで「世界名作劇場」を観ていた記憶がある。
「フランダースの犬」に始まり、「あらいぐまラスカル」「トムソーヤの冒険」「赤毛のアン」「ペリーヌ物語」……挙げるときりがない。あの30分間こそが、私にとって1週間のしめくくりだった。
どの物語もとても面白くて、心底楽しみにしていたし、30分の中で何度も大笑いした。ただ、どの物語も決して「楽しくて面白い」ことばかりじゃなかった。
自分と同い年くらいの主人公がつらい目に遭ったり、親と引き離されたり、そんな過酷な運命をたくましく生き抜いていく姿を、必死に見守っていたように思う。世の中には私には想像も及ばないことがあるんだということを、毎週、子ども心に痛いほど感じる時間でもあった。
あれから数十年のときを経て、娘が生まれたときには、もう「世界名作劇場」は放映されていなかった。
幼少時代にこそ、ああいう物語を見せてやりたいと思った。けれど、残念ながらテレビでは見つけられず、絵本を探したりもしたが、当時の絵柄を探し当てることはできなかった。
いま出会った「世界名作劇場」
ときは流れ、娘はすでに11歳。数日前、なんと、Amazonプライムビデオで「世界名作劇場」を見つけた。どうやら数日前の2月1日から「世界名作劇場」のうち18作がプライムビデオに追加されたらしい。
だよね。この数週間、Amazonプライムビデオにお世話になってきたけど、いちども「世界名作劇場」には出会わなかったもん。
で、最初に目に飛び込んできたのが「小公女セーラ」。
昔、図書館で絵本を借りてきて娘に読んで聞かせていたら、セーラのお父さんが亡くなったところで怖がり、途中で閉じてしまった過去がある。だけど、この物語は、ぜひ子どものうちに体験してほしい。
というわけで、今、娘と一緒に毎日、夕食時に1話ずつ観ている。今晩は第11話「プリンセスの誕生日」を観る予定。たしか、セーラの誕生会をしているときに、父親の訃報が届き、そこからいっきに悲惨な状況になっていくという、まさにその回だ。
わかっていながら観るのはつらい。娘もあらすじは知っているから、ここからつらくなることもわかっている。だけど、きっと数年前のように「怖いからやめる」とは言わないだろう。何より、ここまで観てきて、すでにセーラを大好きになっている。
セーラは今、11歳。娘と同じ年齢だ。同い年の女の子が親から一人離れて、遠い国で寄宿生活を送っているだけでも、今の娘にとっては「ありえない」のに、この先の展開は、本当に酷だし、見ていてつらいものになるだろう。
だけど、しっかり見てほしいと思う。大人の私が見ていても、セーラは優しくて、凛としていて、目が離せない。
不思議なことに、セーラを見ていると、ある先輩がいつも思い浮かぶ。その人は、こういう人だった。セーラの話し方、処し方が、なんとなく彼女に重なる。コロナ禍でなかなか会えないけど、どうしているかな。会いたいな。
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