おいしい水を運んでくれる人
1年に一度、浄水器のフィルターを取り換えに、マルチピュアジャパンのTさんが来てくれる。
どうしても欲しかった浄水器
現在のマンションに住み始めたとき、これだけは付けたかったのがマルチピュアの浄水器。2011年の東日本大震災を経て、安心して飲める水がどれほどありがたいかが身に染みた。
震災当時は娘が生まれたばかりだったこともあって、飲み水だけはペットボトルで購入。日々の買い物の荷が重くなり、そのうち通販の箱買いにたどり着いたけれど、それも空のペットボトルばかりが増え続けて気分が滅入ったものだ。
安心して飲める水が蛇口から出てくるって、本当に素敵だ。付けた当初は、嬉しくて、おいしくて、水ばかり飲んで、水太りしてしまったほど。あれから5年、今では我が家になくてはならない必需品だ。
すべてが育まれている
マンション仕様のマルチピュア浄水器は交換作業が少々複雑なので、年に一度の交換サービスが付いていた。これが想像以上にありがたかった。
もしこのサービスがなかったら、説明書と格闘して自力で取り換え、間違って浄水機能を台無しにしてしまっていたかもしれない。いや、まだいけるだろうとつい先延ばしにして、そのうちいつ交換したかさえ忘れてしまっていただろう。おかげで5年経った今も、我が家の水はいつもおいしい。
マルチピュアジャパンのTさんは、偶然にもご近所にお住まいとのことで、毎年、朝一番の9時に来てくれる。いつも清潔な身なりで、寡黙。丁寧に手際よく作業し、最後に少しだけおしゃべりして帰っていく。
昨年は、もうすぐお子さんが生まれると言っていた。今年は「朝、娘を保育園に送ってから来ました」とのこと。あ、娘さんだったんだ、と分かる。
「1年後、またよろしく」と挨拶を交わして帰っていった。
1年に一度、ほんの点でだけ繋がっている、そんな関わりもいいものだ。Tさんが来てくれると、我が家の水はおいしくなる。前回はお腹のなかにいた赤ちゃんが、今年は生まれて、保育園に通っている。コロナに翻弄される毎日だけど、確実に、淡々と、ときは流れて、すべてのものが育まれている。
そんなことを感じながら、さらにおいしくなった水で、コーヒーを淹れた。
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