近所の小さな野菜屋さん
近所の野菜屋さんが大好きだ。通りかかると必ずのぞく。
野菜屋さんとの出会い
この地への引っ越しを決めたのは6年半前。娘が幼稚園年中のころだった。
年長の1年間をのびのび過ごせる幼稚園を求めて、当時住んでいた練馬区から片道2時間近くかけて何度も通い、周辺を隈なく歩いた。その甲斐あって、素敵な幼稚園に巡り合えて、娘も私も、宝物のような1年間を送ることができた。
このとき出会ったのは、幼稚園だけじゃない。ここに越してきてから長らくお世話になる場所の幾つかに、実は、このとき出会っている。その一つが、近くの小さな野菜屋さんだ。
四つ角に佇む小さなお店。最初は、あまりに独特な雰囲気を持つ店だったので、イチゲンさんが入っていいのかどうか、ちょっと迷った。
思い切って入ってみると、見るからに新鮮で美味しそうな野菜が所狭しと置かれていて、めちゃくちゃ嬉しくなった。お隣の市で無農薬にこだわって作っている農家さんたちから直接仕入れているという。
今思えば、この野菜屋さんとの出会いが、私をこの地へグッと引き寄せたんじゃないかと思う。このときオーナーと話し込み、「近くに越してくると思うのでよろしくお願いします」と挨拶を交わして6年半。いまや私にとって、なくてはならない大切な場所だ。
用事がなくても顔を出す
午前11時の開店時間には溢れんばかり無農薬野菜が並ぶ。お客は近所の人ばかり。小さいお店なのでお客も心得ていて殺到しない。パラパラと時間差で現れ、ゆったり買い物。店内が混むことはほとんどない。
なのに、お昼を過ぎて午後2時ごろには野菜はスカスカになっていき、夕方に顔を出そうものなら、ほとんど売り切れ。
小さなお店なので、店員さんはいつも1人。曜日ごとに変わるけど、皆、知り合いだ。用事がなくても顔を出すのは「久しぶりに会えるかな?」と思うから。
今日は所用を済ませてお昼過ぎに立ち寄ったら、野菜はほとんどなくなっていた。でも、オーナーに会えて、つい話し込んだ。
話題はやっぱりオミクロン。連休明けだから感染者数が跳ねあがるだろうね、とか、この先どうなるのかね……とか。話題は暗いけど、彼女と話してるとなぜか元気になれる。体の芯から静かなパワーを発しているような、そんな人なのだ。
オーナーはご近所さんたちといつも会話を交わしているから周辺情報に詳しくて、いち早い情報を教えてくれたりもする。今日は野菜がほとんど売り切れていてネギと大根しかなかったから、大根をもう1個、おまけにつけてくれた。
ありがとう! 今日は大根祭りにするわ!
そう言って、「お互い元気でいましょうね」と笑い合って別れた。
確か冷凍庫にお正月の残りの鶏肉があったはず。今晩は大根と鶏肉の煮物にしよう。
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