シルバーヘアの哲学者みたいな美容師さん
「年内にもう一度、会いましょうね」と挨拶を交わして、早2カ月。
1つひとつの動作が丁寧で美しい！
約束（？）通り、今年最後の美容室へ行った。いつもの美容室、いつもの美容師さん。
まずカットをしてもらう。いつもながら、手早い。
彼女とのおしゃべりは楽しいのだけど、なにせ手早いから、あっという間に終わる。おいおい、もうちょっと、その話の続き、聞きたいんだけど……。
彼女はカットを２回に分ける。カラーリング前に大まかなカット。カラーを終えて、シャンプー後、仕上げのカット。
1回目のカットを終えると、人気者の彼女は次のお客のカットへ向かった。そこで、別の人にバトンタッチして、カラーリングが始まる。
あ、前もカラーしてくれた人だ！
伏し目がちな20代後半と思しき男の子。シルバーに染めた髪色が妙に似あう。
一見、今風の若者なんだけど、実は、ちょっと哲学者みたいな表情してる。そして、手つきが驚くほど丁寧。
いろんな人にカラーリングしてもらったけど、こんなに丁寧に、頭髪を細かくブロックに分けて、寸分の塗り残しもないようにカラー剤を置いていく人は初めてだった。ベタベタ塗るというより、優しく置いていくのだ。
今日もこの人にカラーしてもらえるのね。ラッキー！
普段なら、ここから読書タイムなのだけど、今日はしばし読書を中断して、彼の手つきを見ていた。
いやあ、本当に丁寧。どんなふうに育ったら、こんなふうに1つひとつの動作を愛おしむように美しくこなせるのだろう。
カラーリングも、シャンプーも、ドライヤーで髪を乾かしてくれるときも、とにかく丁寧。言葉はとても少ないのに、こちらを気遣ってくれてることが動作だけで十分伝わってくるのだから、感動ものだ。
見事なドライヤーさばき
美容室のドライヤーって、実は鬼門。
美容師さんが乾かすことに集中するあまり、ふいに指が目をかすめたり、ドライヤーの熱風が至近距離であたって熱かったり。一生懸命、乾かしてくれてるので、あまり言えずに我慢していたら、火傷寸前になったこともある。
だけど、この人は、そんなことすべてを知っているかのような、見事なドライヤーさばきだった。
まったく熱くないし、ましてや目の周りを触れるなんてことも決してない。それでいて、しっかり乾いて、出来上がりはツヤツヤ。
丁寧なだけじゃない。相手を常に思いやっていることが伝わってくる彼は、近い将来、必ずや素晴らしい美容師になるだろう。……と、もはや近所の子を見守るオバサンな私。
担当の美容師さんじゃないから、名前も知らないんだけどね。
そこから、いつもの美容師さんが戻ってきて、2回目の仕上げカット。しばし、おしゃべりを楽しんでいる間に、またもやあっという間に出来上がった。
「メリークリスマス！」
「良いお年を！」
定番のこの挨拶を交わして、今年の私の美容室タイムは終わった。
名前は知らないけど、カラーとシャンプーとドライヤーしてくれた彼にも、メリークリスマス！
https://ackie5-morning.com/hairsalon/1153/
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