原田マハさんとヤマザキマリさんの共通点

日々のこと

糸島

NHK連続テレビ小説からの流れで「あさイチ」が始まり、ゲストが原田マハさんだった。

原田マハさんという人

金曜の朝は週に一度のフラメンコ。そして、金曜の「あさイチ」はプレミアムトーク。よりによって、なぜ重なるかなぁ……といつも思う。

ゲストが自身の人生について語るプレミアムトークは、「あさイチ」の中で断トツ興味深い。作家がゲストの日は、なおさらだ。あー、フラメンコの時間が迫ってる。だけど同じくらい、プレミアムトークを見たい。

で、結局、プレミアムトークのコーナーは最後まで見てしまい、遅刻気味でフラメンコに駆け込む。今日がまさにそんな日だった。

原田マハさんといえば、『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』といった美術作品を巡るミステリーが思い浮かぶ。

ずっと気になる作家だけど、ミステリーがあまり得意ではない私はなんとなく後回しにしていて、実はまだ原田マハさんを読んだことがない。

なぜ今日まで読まなかったのだろう……と、朝から猛烈に悔やんだ。

それほどに、原田マハさんに惹かれた。まず、佇まいに圧倒された。あっさりしていて、すごく自然。そして思いっきりがいい。

原田さんの話を聞いていると、「何事も為せば成る」って気がしてくる。決して平坦ではない道のりを歩いてこられたのに、いとも淡々と選び取ってきたかのように語る姿が潔い。だから、かっこいい。

平坦な道でなかったのは、そういう道をあえて選んできたからなのだろうけど、それを語っているご本人に、そんな意識がまるでないようなのだ。

原田マハさんを見ていると、なんとなく、ヤマザキマリさんが重なってきた。

「すごい人生!」と周囲の誰もが思うけど、当のご本人は微々ともそんなことを思っていない感じ。あくまでも自然で淡々としていて、だけど自分の好きなことを貫いている。かつ、突っ張った感じはまったくなく、柔らかさと可愛らしさまでも醸し出す。

作家の須賀敦子さんもそんな感じだった。角田光代さんも。

かっこいいなあ、こういう女性。心底、憧れる。

旅が好きという共通点

そういえば、私が憧れる女性は皆、旅が好きみたい。ヤマザキマリさんも須賀敦子さんも角田光代さんも、そして今日、憧れた原田マハさんも。

彼女たちは、いつも「ふと、旅に出る」。思い立って、「ふと」出発するのだ。

そして、出かけた先で、人やモノと出会う。出会っただけでは終わらず、踏み込んでいく。そこから得た感情や考えを小さな種にして自身の中に植え、種は芽となり、育ち、花が咲く。

そんな彼女たちの生き方に、私はたまらなく惹かれる。惹かれるのだけど、私自身は気軽に旅に出るほうではない。うーん、なぜだろう。腰が重いのかなぁ。

唯一、福岡県糸島半島が大好きで、娘を連れて何度か行ったし、これからも行きたい。できることなら、いつか糸島に住みたいとも思っているけど、これは旅ではなくて、「住みたい」願望だからちょっと違う気もする。

もしかしたら、私はまだ、ほんとの旅に出ていないのかもしれない。

旅に出るためには、3日なら3日分、1週間なら1週間分、家を空ける準備をセットに考えてしまうのだ。

1週間分の準備を考えるだけで、もう旅に出たい気持ちのほうがシュルシュルっとしぼんでしまう。私はこれまで、そんな生き方をしてきたような気がする。

たぶん、私が憧れる人たちは、そんな種類の「真面目さ」はとっくに手離しているのだろう。だから自由。だから「ふと」出かける。私も、そんな「ふと」始めることのできる軽やかさをそろそろ手に入れたいと思う。

まずは、原田マハさんの『楽園のカンヴァス』を読んでみよっと。

 

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