「パンとスープとネコ日和」の午後

Bookエッセイ

道

ビデオ鑑賞が止まらない。

気分は食堂&小林聡美さん

昨日、「かもめ食堂」を観て、おにぎりを作って食べたら、なんだかホッコリした。気分はすっかり、食堂&小林聡美。

というわけで、今日もひと仕事終えた後、いや、正確には最低限で仕事を切り上げて、「パンとスープとネコ日和」シーズン1を観た。

母と二人で暮らしてきたアキコ(小林聡美)。出版社で書籍編集に携わって忙しい毎日を過ごしてきたが、長年、一人で食堂を営んできた母が亡くなり、小さなお店が残された。何かに導かれるように、その場所で、アキコ自らが、パンとスープの小さな食堂を始めることになる。

ときを同じくして、1匹のネコがアキコのもとにやってくる。

母と縁のあった近所のおじさまたちや、向かいの喫茶店「ハッピー」のママ(もたいまさこ)たちと関わりながら、アキコが、静かに、少しずつ、この地に根を張っていく感じがなんともいい。

つっけんどんで冷淡に見える「ハッピー」のママが、実はずっと見守ってくれていて、そのことをアキコ自身が誰よりわかっているのも、またいい。

アキコの食堂はランチのみ。メニューはサンドイッチとスープ。以上。

コーヒーは?と思うけど、お向かいが喫茶店だからコーヒーは出さないようだ。

いやいや、そこはちょっと無理があるでしょ…と正直、思う。いくら「義理と人情」とはいえ、パンにはコーヒーが絶対ほしい。

でも、それを差っ引いても、サンドイッチとスープがめちゃくちゃおいしそう。こんな食堂があったら、私も通うだろうなあ。

「かもめ食堂」にせよ、「パンとスープとネコ日和」にせよ、いい人しか出てこないのがちょっと物足りなくもあり、だからこそ、ほっこりできる所以でもあり。

やりたいように、好きなように

それにしても、もたいまさこと小林聡美のペアは最強だ。

なんだろう、このお二人の掛け合いが醸し出す雰囲気は。ずっと昔のコメディドラマ「やっぱり猫が好き」を思い出すのは私だけではないだろう。もっと見たい。ずっと見ていたい、と思ってしまう。

アキコが作るサンドイッチは、どれも本当においしそうだった。

ゆで卵ではなく、半熟の焼き卵を挟むのも真似してみよう。すぐにもパンを買いに走りたい気持ちになったけど、それより今日は、喫茶店「ハッピー」のママが作るナポリタンを食べたい衝動に駆られた。

ケチャップたっぷりの真っ赤なナポリタン。具はウインナーとピーマン。昔ながらの喫茶店のナポリンタンだ。

ウインナーのストックがなかったので、豚肉とピーマンで作った。ここはやっぱりウインナーだよな……と思ったけど、仕方ない。午後3時、遅めのお昼に、ケチャップたっぷりのナポリタン(;^_^A

アキコは最後に言う。

私、これまで真面目すぎた。これからは不良になります。自分が自由になれて、人との時間が初めて始まるのだと気づきました。やりたいように、好きなようにお店をやっていこうと思います

この言葉、なんだかしみじみ沁みてきた。まだ沁みてる途中。ジワジワと。

 

 

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