サンタクロースは来るだろうか?
「サンタの前借りな!」。騒動は、夫のこの一言から始まった。
サンタさんという夢
小学5年生の娘、一昨年前の今ごろは完璧にサンタクロースを信じていた。その年に贈られた犬のぬいぐるみを「リオ」と名付け、今も一緒に寝ている。
昨年は、学校で話題になるのだろう、「パパとママがサンタさんなんじゃないの?」とかなんとか、言い出した。
まあ、これも普通だろう。
「え?! そうなの? 私は知らないよー」
これまた、お決まりの、あまりごまかす気もないごまかし方をした。
それでも、25日の早朝、枕元にプレゼントを見つけると、雄叫びをあげて喜んでいた。
そして今年。
あれから1年たって、もはやサンタの正体はわかっているに違いない。だけど、「サンタさんはパパとママ?」とは言わなくなった。
私も娘と同じ年齢のころ、覚えがある。
サンタが親だと頭ではわかっている。だけど、心のどこかで「サンタクロース」の夢の中にまだいたい。サンタさんという存在を完全に手離したくはない。
だから、今、娘がそんな思いの中にあることが、手に取るようにわかった。
サンタは楽天ポイント?
1カ月ほど前だっただろうか、娘がふと言い出した。
「今年は、サンタさんにNiziUのアルバムをもらうんだ~」
なるほど。サンタさんからもらいたいんだね。ラジャ。
で、いろいろ探したけれど、メンバーの誰かのカードが入っているというプレミア付きのNiziUアルバムは売り切れていた。アルバムだけならあるのだけど、プレミア付きが見つからない。
誰のカードが入っているかわからないというのも、大人から見ると「それでいいの?」と思わなくもないけど、子どもにとってはたまらない魅力のようだ。お楽しみ袋ってことね!
発売直後だし、クリスマス前だから無理もない。そのうち入荷するだろうとは思いつつ夫に相談すると、「楽天で俺が買っとく」と頼もしい答えが返ってきた。
で、夫に任せて3週間ほど経った今週末の夕食後。
「サンタの前借りな!」
冒頭の言葉とともに、娘がサンタさんに所望したNiziUのアルバムが差し出された、というわけだ。
面食らったのは、娘と私。
「え?!」
と言ったまま、娘は黙ってしまった。
そんな娘に夫はドヤ顔で、
「楽天ポイントセールで勝ち取ったぞ。父ちゃんが溜めたポイントのおかげだ!」
と追い打ちをかける。さすがに私も絶句。
あーあ、彼に任せた私がアホだった……。
夢はあえなく散った、わけじゃない
「サンタクロースから欲しかったんだと思うよ」とだけ話すと、
「もうわかってるんだろ。それより、1日も早く聴きたいだろうからさ。俺も聴きたいし」
いやいや、届いたら、1日も早く渡したくなったんでしょ……
という言葉は飲み込んだけど、いやはや、夫は、女心だけじゃなく、子ども心もわからないようだ。
そんなわけで、娘が最後にしがみついていたサンタクロースの夢は、あえなく散った。
と思ったら、娘が言った。
「ママ、クリスマスまでしまっておいて。クリスマスの朝、誰のカードか見るのが楽しみなんだから」
だって。あきらめが悪いというか、意地でも「夢」を手離さないというか。
なかなかやるな、オヌシ!
そんなわけで、お互いわかったうえで、イブの夜に枕元に置くことになった。
さすがに、楽天ポイントでゲットしたCDアルバムだけというのは味気ないので、プラスの「ちょっとした何か」を探している。
実は、プレセントを探すこの時間、私もけっこう好きなんだよね。サンタさんの夢の中で遊んでいたいのは、どうやら娘だけじゃないみたい。
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