10年越しに、映画「幸せのレシピ」に出会う

Bookエッセイ

食卓

10数年前、観たいと思いながら観に行きそびれた映画をAmazonプライムビデオで見つけた。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズに一目惚れ

その映画は「幸せのレシピ」。

スコット・ヒックス監督、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演のハートフル・コメディだ。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズという女優が好きだ。「エントラップメント」で初めて見た彼女はものすごくかっこよくて、一目惚れ。その後、「トラフィック」「シカゴ」と、とにかくかっこよかった。同世代というのも、嬉しい。

アクションもののイメージだった彼女だけど、「幸せのレシピ」は一転、女性の内面を描いたハートフルな作品らしいと耳にし、公開当時、すごく観たかったことを覚えている。

なのに、映画公開中に観そびれると、ビデオレンタルしてまで観ようとはしない、というヘンな癖が私にはある。ともかく今回、Amazonプライムのおかげで、10数年越しに「幸せのレシピ」を観ることができた。

母と娘のぎくしゃくに

高級レストランの料理長ケイト(キャサリン)は、ぐうの音も出ないほど完璧な、誰もが認める名コック。突然の事故で姉を亡くし、9歳の姪っ子ゾーイを引き取ることになる。

そんな折、厨房にはケイトと正反対の陽気でハチャメチャな料理人ニック(アーロン・エッカート)が副料理長として入ってくる。完璧主義のケイトは、何をしでかすかわからないニックの存在が目障りでならない。

一方、私生活でも、完璧に姪っ子ゾーイの面倒を見ようとするあまり、ゾーイとぶつかってしまい……。ぎくしゃくする二人の関係を解きほぐしていくのがニックだった――というストーリー。

姉との生前の約束を果たそうと懸命に姪っ子のために奔走するケイト。そんなケイトを鬱陶しく感じてしまうゾーイ。頑張れば頑張るほど、つらくなっていく二人の関係。

これって、母と娘のぎくしゃくとそっくりじゃん……('◇’)ゞ

大好きなのに、いや、大好きだから、こうしたほうがいいと思って、ついいろいろ口を出す。そして気づいたら、口うるさいだけの親になっていく――( ;∀;)

そんなつもりないのに。ほんとは楽しく笑って過ごしたいのに。

人生を楽しむということ

で、ケイトとゾーイの今にも凍りそうな関係を温めて溶かしていくのが、ニックの陽気さだった。

ケイトが許せなかったニックのいい加減さと陽気さ。それは反対側から見たら、人生を楽しむことを大切にしている生き方だった。

今しなくちゃならないこと。しておいたほうがいいこと。そんなことより、したいことを大事にする。

生きるって、実は、とってもシンプルなのかもしれない。

ケイトが少しずつ、観てる私にさえもわからないほど少しずつ変わっていって、それに比例するように、ゾーイとの関係も和やかになっていった。こちらも、驚くほどに自然に。

最後のシーンがよかったな。

レストランは、世界中どこでも、いつの時代でも、人が集まって楽しい時間を過ごす楽園だ。早く、みんなでレストランに集って笑い合える日々が戻りますように。

 

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